今から5年とちょっと前のこと。僕の勤める学校に、1人の女の子が入学しました。
彼女はソフトテニスがとっても大好き。
小学生の時に始めたソフトテニスを続けるために、中学校でも迷わずソフトテニス部に入部します。
「全国大会出場!」
という大きな目標を持って。
…でも、この学校は全国大会常連校でもなく、いわゆる普通の公立中学校…。
チームメイトの中には中学校入学後、ついこの前からラケットを持ち始めた子もいます。
もしかしたら
「全国大会出場!」
という彼女の目標は、まわりの人からすると遠い世界の話のように聞こえていたかもしれません。
彼女もチームメイトたちも多感な年頃。
自分の思いがまわりに伝わらなかったり…自分もまわりの気持ちを考えられなかったり…
すれ違ったり、傷つけ合ったりもあったことでしょう。
それでも、彼女とチームは、少しずつですが力をつけていきます。
練習の甲斐もあり、チーム状況は上向き。そしてもうすぐ3年生。さあいよいよ勝負の年!
…そんな時に、世界中のすべての活動を止める出来事がありました…
彼女の立てた「全国大会出場!」という目標は叶わぬ夢となりました。
挑戦すらさせてもらえないまま…
(※その年の夏に僕は中学校教員を辞めて北海道に来ることになります。)
中学卒業が近づいた冬、彼女は県内の強豪校への入学を決意します。
自分の夢の実現を目指して、
『自分の事は自分で決める。』
きっと今までで最大の自己決定の場面だったことでしょう。
高校での様子は人づてに聞くぐらいでしかわかりません。でも、きっと頑張っているだろうなとは思っていましたが…
…それから3年…
彼女の夢が、「北海道」で実現されるとは、全く予想もしていませんでした。
こうやって彼女が自分の夢を叶える場面に立ち会うことになるとは思ってもみませんでした。
大会期間中の彼女の表情、仲間や先生との接し方。ボールを追いかけて相手に立ち向かっていく姿をみて、高校での3年間がとてもステキなものだったんだろうなということが想像できました。
本当にすばらしいドラマをありがとう。そして、おつかれさまでした。