石川県加賀市片山津、柴山潟のほとりにある「中谷宇吉郎 雪の科学館」を訪れました。
石川県に生まれ北海道で暮らす僕にとっては、ここは必ず立ち寄ろうと思っていた場所。
また、中谷宇吉郎先生の哲学は、科学にたずさわる者として心の中に留め置きたいもの。
一度、科学者としての心構えを引き締めておきたいのです。
建物はご覧の通り…
雪の結晶の形をモチーフにした六角形。
「雪は天から送られた手紙である」
物理学者であり、随筆家でもある中谷先生が残された言葉の中には、いつまでも心に残って忘れられないものがあります。
そんな言葉もいくつか紹介しますね。
施設の背後には柴山潟、そして白山がそびえる絶好のロケーションです。
さて、中に入ってみましょう。
入口は2階。そのまま2階映像ホールで
「科学するこころ−中谷宇吉郎の世界」
を視聴。
『研究は人の役に立たなければならない』
は師匠である寺田寅彦の言葉。
中谷先生は北海道大学で雪の結晶についての研究をされた方。
そしてここ、石川県加賀市片山津が中谷先生の生まれた土地。
ガラス表面に中谷先生の言葉が書いてあります。以下、写真では見にくいかもしれません。お許し下さい。
ひとつひとつの微細な雪の結晶の形に視点をあてた、中谷先生の心情がうかがえますね。
雪の結晶写真とともに、「分類」も記されています。科学において、この
『分類の線引をどこにするか?』
というのは真実に早くたどりつけるか・つけないかを左右するように思います。
もちろん、これも膨大な数の実験・観察のもとになされるのですが。
ここではダイヤモンドダスト、過冷却水の実験を目の前でしてもらえます。
今日は「生徒」の立場で実験を見ています。
先生とは、子供の興味の扉を開いてあげられる存在でありたいと再認識しました。
中谷先生の業績は
「世界で初めて人工雪を作り出したこと」
それは偶然の産物ではなく、数多くの実験・観察から得られたデータの蓄積による必然。
研究の成果の一つである「中谷ダイヤグラム」によって、上空の大気の様子を推測できるようになりました。
「雪は天から送られた手紙である」
天から与えられたメッセージを読み解いて、しっかりと受け取れるようにしたのが中谷先生の大きな仕事だったのでしょう。
研究環境の過酷さを思わせる一言。
中谷先生は中学生の時ボート部に所属。資料中の梯川とは、先日「はたらくこと」のお話をさせてもらった丸内中学校の横を流れる川。
見学に疲れたら、喫茶「冬の華」。
柴山潟、白山の景色を見ながらコーヒーブレイクができます。
科学とは…?人生とは…?
「いきる」ということとは…?
あらためて問いかけてもらえたように思います。
展示品はまだまだたくさんあります。石川県に来たら、ぜひ見に来てほしい施設の一つですよ。