札幌から車で西に、小樽、余市を超えてさらに進むとそこは積丹。

(神威岬。「カムイ」は北海道のキーワード!)

積丹町のさらに端に、神威岬があります。

(チャレンカの小道。「チャレンカ」って?)

駐車場から突端まで、一般的な人のペースで30分以上!ちょっとしたハイキング気分で行きましょう。暑いときは水分も必要ですよ。

(全景を見渡せる展望広場)

展望広場からは全景を見渡せます。この周辺海域は「積丹ブルー」と呼ばれるほど透き通った青い海。ちょいちょい写真を挟むのでどうぞ見てください。

(快晴ならきっともっとステキ)
(むしろ南国を思わせる「積丹ブルー」)
(神威岩・神威岬の伝説)

「神威岩・神威岬の伝説」とは…

想像もしていなかった、まさかの「義経伝説」。

奥州平泉(岩手県)、衣川館で自刃したはずの源義経が生き延び、たどり着いたのといわれるのが新冠町にある判官館。

(たずねる新冠町⑥「判官館森林公園」はコチラ☆)

そこで義経はアイヌの酋長の娘と恋に落ちる。しばらくはそこで二人は一緒に過ごすも、追手の接近に気づいた義経はその娘を残して立ち去ってしまう(ここまで新冠町「判官館」の伝説)。そして物語の舞台はここ神威岬。

(今でいうとこの距離です)

チャレンカの小道の「チャレンカ」とは?

そうです。アイヌの酋長の娘の名前なんですね。

(この道をチャレンカも通ったのだろうか?)

順路にしたがっていくため、義経伝説はちょっと置いといて…

(電磁台(電波探知塔))

電磁広場にある「電磁台」

(電磁台の説明)

電磁台は明治時代、ロシア軍艦が北海道に上陸する情報をキャッチするための無線塔、レーダー塔の跡だそうです。確かに、地理的にも防衛の要所だったのでしょう。

(電波広場からみた突端)
(透き通る青さ!)
(海の青さと陸の緑の鮮やかさを見るならやっぱり夏がおすすめ!)
(神威岬は女人禁制の地?)

さて、電波台を過ぎて少し歩くとこの門があります。

「女人禁制とな?」

再び義経伝説。義経を追いかけてきたチャレンカ…神威岬で義経に追いつくも、義経の船はすでにはるか沖…

どんなに呼ぶ声も、悲しみに泣き叫ぶ声も風の音に消され義経の耳には届かず…やがてチャレンカは気が狂い、神威岬に身を投げてしまう…そして間もなく、チャレンカは神威岩に化身した。

(現在は女人禁制は解かれています)

その際チャレンカが発した

「和人の船、婦女を乗せてここを過ぐれば転覆せしむ」

という呪いの言葉により、この海域は海の難所となったようです。恐るべしはこの情念。

(この呪いを打ち破ったのは「梨本弥五郎」)

この呪いを打ち破ったのは江戸時代末期、13第将軍徳川家定の家来「梨本弥五郎」。

弥五郎がこの海域を通過しようとした時、荒れ狂う海で岩角に向かって

「私は征夷大将軍家定の家来である。いま主君の命を受け岬端を通るに、なぜ神罰を受けなければならないのか」

と、大声で叫び、岩角めがけて銃を放った!すると波は静かになり、全員が無事に目的地までたどり着けたのだと。

これがきっかけでこの海域での女人禁制が解かれたそうな。

(チャレンカの小道が続きます)

そんな伝説も過去の話。今では、多くの観光客、もちろん女性の方もたくさんいらっしゃいました。

(積丹ブルーでありエメラルドグリーン)
(小道は整備されているもののところどころ足場が悪くなっています。靴重要!)

さらに小道を進みます。足元が悪い場所もあるので、サンダル履きはおすすめできません。

(念仏トンネルの立て札を見たら…)

念仏トンネルビューポイントに来たら…右斜め後ろを振り返ろう!

(見えますか?)
(拡大した)

以前は突端まで行くにはこの写真に見える「念仏トンネル」を通っていたそうです。念仏を唱えると崩落を防ぎ、無事に通れるって事らしいですよ。

(少し進んで…)
(振り向く!)
(少し進んで…)
(振り向く!)

この時は若干雲が残っているものの、天気もよく、「積丹ブルー」を堪能できましたね。

(野性的な岩肌が見えるのもここの魅力!)
(神威岬でよく見た植物①)
(波しぶきもキレイ)
(水面下の岩までハッキリ見える!)
(チャレンカの小道は時間にして約20分かかります。)
(半分越えたか?)
(完全にオーバーハングした断崖)
(この日は西側に雲がかかっていました)
(強い風で砂が飛ばされ、大きな岩石があらわになっています)
(神威岬でよく見た植物②)
(侵食が進むと落ちてきそうな岩石)
(ここまで来るとゴールは目前!)

さあ、ここまで来ました。灯台を目指してくると目標が持てていいと思います。往復した時の疲労度は人によりますが一般的な大人で、息が上がるレベル。高低差は110メートル以上ありました(ランニングアプリで測定)。

(北海道で5番目に古い「神威岬灯台」)
(神威岬灯台全景。直前の大雨で水がたまる。)
(突端付近。一度見て欲しい景色です。)

さあ、到着しました。神威岬突端、神威岩です。どうぞ!

(神威岬突端!)
(写真中央がチャレンカが化身した「神威岩」)
(800年以上の時を経て、チャレンカは今何を思うのか…)

「積丹ブルー」の言葉に引かれてやってきた神威岬。いざ来てみると、その景色が視覚に与える圧倒的な満足感、そこへ伝説が加えるアクセント。

思いつき旅行ばかりなのだが、なぜかつながりを感じる…そんなことを思う神威岬でした。また来よう😊